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しかしなかなか見つからない。そう言えば室内しか探しておらず庭には行っていなかったことを思いだしすぐに庭の方へと向かった。庭ではカナヲが刀の練習をしていた。
その時に気付いた。本当に私は小さい人間なのだと。
いつもは見ないカナヲの真剣な表情。
真剣な表情をしている横顔を見ても分かるほどの美人でもある。他の女性たちよりも背は高く、鬼という人外とも戦えるほどに強い。なのだが、
一人の少女なのだ。また彼女も。
あんな小さく女性らしい手をしているカナヲはたくさんの命を救い、同時に失っている。そして華奢な体。
あんな街中にいそうな普通の少女が誰かを守るために戦っている。
(そう言えば、しのぶ様もこう仰っていたよね。)
「なんで戦うか、ですか?」
「はい」
「・・・・・・私が戦う理由はアオイも分かってますよね」
「はい。それを承知の上で聞いております」
「そう。それならばカナヲに聞いてみて。カナヲの理由の方が立派よ。私よりも」
「いえ、しのぶ様も!!」
「アオイ。貴方が私とカナヲみたいに戦えなくて負い目を感じてることはわかります。しかし、アオイもちゃんと人の役に立ってますよ。私達とは違う立場ではあるけれど。だから、ね?そんなに気にしないでいいの」
・・・・・・しのぶ様が戦う理由は御姉様のために。それもちゃんとした理由。だけれどカナヲは何のために戦っているのだろう。カナエ様を殺した鬼が憎かったから?自分も役に立ちたかったから?
いや守るためなのかもしれない人々を。
かつて、おんなじように人々を守ってきた今は亡きカナエ様と今も尚戦い続けるしのぶ様の背中を見て、なのだろうか。
カナヲの方を見続けるとあることに気付いた。
「カナヲ」
「何?」
「指怪我してる」
「本当だ」
「治すよ」
「ありがとう、アオイ」
アオイはすぐに室内へ向かい必要なものを持ちカナヲの手を治した。
その時に 今、渡すしかない と思った。
「あ、カナヲ。はいこれ」
「?」
手に持ってたものをそっと渡す。
その時にカナヲの頬が緩んだ。
「綺麗、」
少しだが、微笑んでいた。今までの張り付けた微笑みとは違う、温かな感じがする微笑みで。
アオイは嬉しくなり頬を緩め、ああ。やはり私はカナヲの笑顔が好きだと思い、興奮を押さえつけながらこう言った。
「でしょ?この花の名前はね・・・」
ミスラム花言葉
笑 顔 を 見 せ て
『小説 幸せの花』にでてくる小話の一つ「アオイとカナヲ」に関することが書かれています。
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レイン - 瓏月さん» わかりみが深い。← 千寿郎くんは兄想いのいい子だからねっ!(TーT) (2020年2月10日 17時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
瓏月(プロフ) - 兄上っ!!(´;ω;`) (2020年2月10日 1時) (レス) id: 5cd948ec8f (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 日向さん» ひなちゃん!?!?うわぁ!!嬉しい!!!おおきに!!いやいや!捏造だしこうだったら泣けるなぁって思って書いただけの小説だけどね。涙が溢れてきたの?おお!感動させれた! 応援お願いします! (2020年2月9日 11時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
日向 - 来たよ!作品を見てたら涙が溢れてきた笑やっぱりレーちゃんの小説は凄い!!これからも応援してます(>∀<) (2020年2月8日 23時) (レス) id: 8e0303bcc1 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 瓏月さん» 瓏ちゃああああああああああああああああああんっ!(TーT)初めて評価&コメしてくれたの瓏ちゃんたんだよぉ! うわぁ!!嬉しい!!おおきに! 捏造なんだけどもね、こういう風に思ってそうっておもってかいたの! 更新頑張るね! (2020年2月8日 21時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイン | 作者ホームページ:http://utanai.nosv.org/u.php/hptyomatu/
作成日時:2020年2月8日 19時