朝顔 蟲柱 胡蝶しのぶ ページ3
大切な人を亡くしたときの気持ちをどう表せばいいのか。心に穴があくような、何も残らないような、何かが溢れ落ちていくかのように。
急に奪われてしまう。
姉さんは優しい人だった。鬼にすら同情をしてしまうほどに。私はなんで姉さんが鬼にすら憐れみを抱けるのか全く分からなかった。
目の前で大切な人を亡くした人の悲しみ 怒り 苦しみ 辛さ
嫌と言うほどに伝わってくる。その震えるような声で、頬を濡らしている様子から。その光景を見ると腹の底が煮えくりかえるような感覚になる。
そんな鬼を憐れむなんて私には到底理解できなかった。
昔も 姉さんがいない 今も。
私は姉さんの気持ちを考えた。どうして鬼に同情なんて抱けるんだろう、どうやったらそんな心をもてられるんだろうって。
・・・・・・結局分からなかったけど。
けれど私が柱になってから異例なことが起きた。その原因である炭次郎君という少年に出会った。
彼は姉さんにそっくりだった。あの優しい目、朗らかな笑顔、まるでかつての姉さんを見てるみたいだった。
私は彼を見てわかった。
(嗚呼、彼ならば私が、いや姉さんの想いを受け継いでくれる)と思った。
何で、見ず知らずのしかも会ってそんなにたってない彼に私と姉さんの夢を託したのだろうか。
でも彼は鬼となってしまった妹を捨てることも軽蔑もせずに守っていた。
私はそれを見てなんとも言えない気持ちにもなった。
そして、妹である禰豆子さんもそこらへんの鬼と違っていた。
私は心底むかついた。だっと我慢できるんでしょ?やろうとすれば。なのに本能にあらがいもせず、疑いも持たずに平然と人を食ってる彼奴らにどうしようもない怒りが沸いた。
そして姉さんを殺したあいつも。
あいつが例えどんな理由で鬼になったとしても、どんな過去があっても私は姉さんを殺したあいつだけは絶対に許さない。
そうしのぶが考えていたら遠くから声が聞こえた。
「しのぶ様ー!!どこにいらっしゃいますか?」
なほの声で現実へと戻される。薬を作るために昼から始めたがもう夕方になっていた。
すぐに中断しなほの元へと向かい話を聞いた。どうやらしのぶの腕が必要な治療を施さなければならない患者がいるとのこと。
しのぶは軋む廊下を歩き患者の元へと向かった。
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レイン - 瓏月さん» わかりみが深い。← 千寿郎くんは兄想いのいい子だからねっ!(TーT) (2020年2月10日 17時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
瓏月(プロフ) - 兄上っ!!(´;ω;`) (2020年2月10日 1時) (レス) id: 5cd948ec8f (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 日向さん» ひなちゃん!?!?うわぁ!!嬉しい!!!おおきに!!いやいや!捏造だしこうだったら泣けるなぁって思って書いただけの小説だけどね。涙が溢れてきたの?おお!感動させれた! 応援お願いします! (2020年2月9日 11時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
日向 - 来たよ!作品を見てたら涙が溢れてきた笑やっぱりレーちゃんの小説は凄い!!これからも応援してます(>∀<) (2020年2月8日 23時) (レス) id: 8e0303bcc1 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 瓏月さん» 瓏ちゃああああああああああああああああああんっ!(TーT)初めて評価&コメしてくれたの瓏ちゃんたんだよぉ! うわぁ!!嬉しい!!おおきに! 捏造なんだけどもね、こういう風に思ってそうっておもってかいたの! 更新頑張るね! (2020年2月8日 21時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイン | 作者ホームページ:http://utanai.nosv.org/u.php/hptyomatu/
作成日時:2020年2月8日 19時