花言葉を貴方に捧げる 【鬼滅の刃】

勿忘草　真菰 ページ2

「私達、鱗滝さんが大好きなの」

炭次郎に言った言葉。この言葉は本当なの。鱗滝さんが大好きなの。

炭次郎がここに来たときに私達は不安だった。"あいつ"に炭次郎もやられちゃうんじゃないかって。

それでも私と錆兎が指南したの。
そしたら炭次郎本当にあいつに勝っちゃったの！！すごいよね！

私達も嬉しかったし、鱗滝さんが特に喜んでて。

本当に、炭次郎はすごいなぁ。

鱗滝さんはね、優しいから後悔してるみたいなの。私達に厄除の面を渡したことを。

厄除の面が目印になってあいつに殺されたから。

でもね、私鱗滝さんを恨んでないよ。
私ね、厄除の面を貰ったときに嬉しかったんだ。厄除の面は厄を除いてくれるんだって。何かあったときのために、って私達に毎回手渡しでわざわざ彫ってまでくれたの。

嬉しかった。だって私のことを大切にしてくれてるんだって実感できたから。私の厄除の面はねつり目なんだけど水色のお花があって、とても可愛いの！

だからもらったときは大切にしよう、割れないようにしようって。

でも"あいつ"に負けちゃった。

情けないよね。鱗滝さんからいつも冷静でいろって言われてたのに私鱗滝さんを馬鹿にしたことが許せなくて。
私、鱗滝さんが大好きだったから馬鹿にされて悔しかったんだ。鱗滝さんはあいつの言うような人じゃないし、あいつの言っていることは自分が捕まった腹いせなんだから。

だからさ、鱗滝さん。そんなに悲しまないでよ。

少女の目の前には背中を小さくしてうずくまっている老人の姿がある。
少女は老人の背中に触ろうとするが虚しくも少女の手は老人の背中を触ることは出来なかった。

少女の体は透けていた。少女の声も届かない。

そのことをその少女は一番分かっていた。でも言わなければいけなかった。
あまりにも自分のせいだと自分を恨む大好きな人が目の前いたのだから。
その人のせいではない、大好きなんだ、恨んでないということを伝えたかったから。

あのね、鱗滝さん。私このお花を見つけたの。可愛いでしょ？鱗滝さんに見せたくて。ここにおいとくね。

鱗滝の目の前に知らぬ間に花が置かれていた。水色の可愛らしい花を。





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