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A「ただいま〜。」
坂田「…おそいん、」
センラ「おじゃまします〜。」
リビングへ入った私たちの方を向いて言葉をとめた坂田くん。
その目線の先は、私ではなくセンラさんへ。
あ、思っていたより、不機嫌度は高そう。
これじゃあセンラさんでも難しいかなあ、なんて。
センラ「よ、坂田。」
坂田「…なんでセンラがおるん。」
そして答えを求めるように私に向けられた目。
A「いや、えっ、と……」
圧倒的に怒りを含んだ声に、言い淀んでしまう。
あれ、ダメだったのかな。
へへへ、なんて作り笑いを向けて救いを求めるように隣のセンラさんを見上げる。
センラ「俺もAちゃんのごはん食べたいな〜おもて、」
ええやろ?なんて私の頭に手を置きながら坂田くんに問いかけるセンラさん。
坂田くんはそんなセンラさんから顔を逸らして一言。
坂田「好きにしたらええやん、」
A「っ、ごはん、作ってくるっ、!」
その言葉の意とは対照的にやけに冷たく聞こえて、なんだかその雰囲気に耐えられなくなった私は、キッチンへと向かった。
申し訳ないけれど、不機嫌モードの坂田くんは神頼みならぬセンラさん頼みだ。
センラ「…Aちゃん、お手上げや。」
A「へ?」
センラ「たぶんAちゃんやないと、あいつの機嫌は治らへんわ。」
料理を始めて何分経ったかわからないけれど、しばらく経った時、背後から声がして振り向けば少し疲れた様子のセンラさんの姿。
A「えっ、ごめんなさい!」
センラ「いやいや、こちらこそやで。」
A「だけどセンラさんが治せなかったなら私じゃもっと、、」
センラ「ちゃうんよなあ、」
A「え?」
センラ「ええからええから、物は試しやって!」
なんて言いながら私が手に持つお玉をセンラさんは引き取って、じゃあ頼んます、と私の背中を押した。
センラさんが治せなかった坂田くんのご機嫌を私が治せるのか…?
全く持って難しいとしか思えないけれど、やってみるしかないな、と腹を括った。
リビングに入ると、ソファーに座ってスマホをいじっている坂田くん。
この姿も見慣れたものだなあ、なんて思ってしまうあたり、坂田くんと過ごしてきた時間の長さを実感してしまう。
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飴玉(プロフ) - 続き気になります!応援してます! (2019年12月7日 0時) (レス) id: 8c5a0e2b14 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 、さん» 設定を誤っておりました。申し訳ございません。修正しました、ご指摘ありがとうございます。 (2019年11月30日 21時) (レス) id: 4b7f932ad4 (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグというものをちゃんと外して下さい (2019年11月30日 21時) (レス) id: da04285dd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のの | 作成日時:2019年11月30日 20時