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志麻くんから彼女できた報告を受けたあの日から、3週間くらい経った。
また飲みに行こうなんて言いつつも、志麻くんがライブ前で忙しくなったことも相まってお互いの予定が合わずに行けていない。
うらた「志麻くんのこと考えてるでしょ、」
A「へ?」
うらた「バレバレ。」
へへ〜と笑いながら、うらたさんにはなんでも見透かされてしまうなあ、なんて呑気に考える。
この能力、少しはあの人に分けてあげて欲しい。
そしたら私の気持ちも少しは報われそうなのに。
うらた「最近会った?」
A「いや、タイミング合わなくてあれから会えてなくて。」
うらた「…へぇ、まあそのうちまた誘ってくるでしょ。」
自分から聞いておいて、あまり深入りすることもなく目の前のパンケーキに手をつけるうらたさん。
うらたさんとはあれからも定期的に会っていて、ランチやカフェによく行く。
今日も結構前から2人で行くと決めていた最近人気のパンケーキ屋に並んで、さっき食べ始めたところ。
実は昨日の夜、志麻くんから電話で「明日の夜暇?」と聞かれたけど、この予定があったから「予定がある」とだけ言って断った。
うらたさんとの約束が先だったし仕方ない。
決して、志麻くんから聞く女の子の話で傷つきたくないとかそんなんじゃない。決して。
うらた「…ねえ、Aのひと口ちょーだい。」
A「え、あ、いいですよ。」
どうぞ、とお皿をうらたさんの方へ寄せようとすれば、静かに口を開けた彼。
そしてそのまま私を見つめている。
これはつまり、
A「…自分で食べてください。」
うらた「いいじゃん、ひと口。」
A「ダメです、」
うらた「なんで、」
A「恥ずかしくて無理。」
うらた「まあ、まーしぃに怒られそうだしやめとく。」
うらたさんの突然の行動に必死で逃げようとしていれば、案外さらっと引いてくれた。
まあでも、志麻くんが怒るなんてないと思うし、もしあったとすれば、あくまで妹的なそういう意味での庇護欲によるものに違いない。
志麻『何時頃予定終わるん?』
ふと光ったスマホの画面に示されたのは1件のメッセージ。
今はちょっと、気付かないふりをして、うらたさんから帰ってきた自分のパンケーキを口に含む。
うん、甘い。おいしい。
幸せって感じの味がする。
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飴玉(プロフ) - 続き気になります!応援してます! (2019年12月7日 0時) (レス) id: 8c5a0e2b14 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 、さん» 設定を誤っておりました。申し訳ございません。修正しました、ご指摘ありがとうございます。 (2019年11月30日 21時) (レス) id: 4b7f932ad4 (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグというものをちゃんと外して下さい (2019年11月30日 21時) (レス) id: da04285dd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のの | 作成日時:2019年11月30日 20時