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A「あ、ライブ、かっこよかったよ。」
うらた「ライブ…?」
正直、この話はあまりしたくなかったんだけど、招待してもらったのだから感想は伝えておきたい、と思い言葉を口にする。
だけど、渉くんは何のことだとでも言うように首を傾げて考えているようで。
A「この間の、浦島、坂田…船?のライブ、招待してくれたでしょ?」
うらた「え、……あーそーゆーことか、」
A「え?」
彼はやけに納得した様子で、また小さく笑った。
そーゆうことって…???
うらた「いや、Aが来てたの知らなくて。母さんが誘ったのか。」
A「あ、そうだったんだ!そう、渉くんのお母さんに声かけてもらってね。すごく素敵だったよ。」
うらた「ありがとな、知ってたらもっと気合い入れてたのに。」
A「そんなこと言っちゃう?」
冗談だけど、なんて言って笑う笑顔はやっぱり子どもっぽいというか、変わってなくて落ち着く。
今渉くんの目の前にいるのは私だけなんだって気づいたら、少しだけ胸が高鳴った気がした。
A「あんなにたくさんの女の子たちにとっての王子様なんだね、渉くんは。」
うらた「王子様って……そうなれてたらいいんだろうけど。」
A「なれてると思う、みんなすごく幸せそうだったもん。」
うらた「そう言ってもらえると嬉しい…Aは楽しめた?」
小さく頷くと、それならよかった、と今度は少しだけはにかんだ笑顔。
この笑顔はステージではしなかった顔…って何を考えてるんだろう。
今日はずっと、ステージの上の渉くんと目の前の渉くんを比べてしまって、なんだか落ち着かない。
私は何を求めて何を確信したいのか自分でもよくわからない。
渉くん、本当は楽しいって素直に思えなかったって言ったらあなたはなんて言うんだろう。
怒らせてしまうのかな、悲しませてしまうのかな。
A「でも、少しだけ寂しかった…かも。」
気づいたらそんな言葉をこぼしてしまって、ハッとする。
いや、うん、弁解しないと、なんて頭をフル回転させているとタイミングよく店員さんがいい音のする鉄板を運んで来てくれた。
これは、神様に感謝しなきゃ。
「特製ハンバーグとライスになります。」
A「おいしそう…っ!」
目の前でいい匂いを放つハンバーグ。
さっきまで真剣に考えていたことは忘れてしまって、そのおいしさを堪能した。
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飴玉(プロフ) - 続き気になります!応援してます! (2019年12月7日 0時) (レス) id: 8c5a0e2b14 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 、さん» 設定を誤っておりました。申し訳ございません。修正しました、ご指摘ありがとうございます。 (2019年11月30日 21時) (レス) id: 4b7f932ad4 (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグというものをちゃんと外して下さい (2019年11月30日 21時) (レス) id: da04285dd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のの | 作成日時:2019年11月30日 20時