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ガチャ。
勢いよく玄関のドアを開けて、外に出る。
職場からすぐ帰って来てメイク直しもしたし、多少おしゃれな服にも着替えた。
幼馴染とは言え男の子とご飯に行くならそれくらいは、ねえ…?
というわけで準備は万端、とさっき鏡で見た自分の姿を思い出して目線を前にやると、目の前の家の前には少し気だるそうに立ってスマホをいじる渉くんがいた。
A「お待たせしました。」
うらた「ん、ちゃんと来たじゃん。」
そんな彼に近づいて声をかけると、スマホをポケットに入れて私の頭を軽く撫でる。
なんか、うん、照れるね。
お兄さんは無駄に慣れてる感じだけど、私は久しぶりすぎて反応に困ってしまうよ。
渉くんってこういうこと自然とできちゃうし、モテるんだろうなあ、なんて。
A「まあ、ね。」
うらた「店予約してるから行こ。」
A「……いけめんじゃん、」
うらた「知ってる。」
うんうん。イケメンポイント高いよお兄さん。
自画自賛するのはいけ好かないけど、未読無視してしまった罪に免じてまあ許してあげます。
そんな渉くんに連れられて入ったお店はお洒落なレストラン。
だけど堅苦しい雰囲気はなく、まるでログハウスのような内装にカントリー調の音楽が流れる暖かい空間。
店員さんに案内された席に座ると、渉くんがこちらに見えやすいようメニューを開いてくれた。
うらた「決まった?」
A「うん、大丈夫。」
すみません、と軽く手を挙げて店員さんに声をかける彼。
その横顔はやっぱり前よりも大人で、何度見ても慣れる気がしない。
それに、ステージに立っている彼を見てから、自分の感情がよく分からなくて。
少しだけ彼と目を合わせることに緊張。
それほどステージの上の彼は、自分が知っていた渉くんよりも何倍も素敵なんだと自分に言い聞かせた。
うらた「…Aは?」
A「えっ、あ…同じので!」
つい考え込んでしまっている間に、渉くんは自分の注文を終えていたらしい。
名前を呼ばれて我に帰り、メニューを開く前から決まっていた注文をした。
渉くんが連れてきてくれたんだから渉くんと同じものを頼めば美味しいはずでしょ?なんていうマイルール。
うらた「変わんねえな。」
店員さんがキッチンへ入って行く姿を見ていると、目の前からそんな言葉と短い笑い声が聞こえた。
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飴玉(プロフ) - 続き気になります!応援してます! (2019年12月7日 0時) (レス) id: 8c5a0e2b14 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 、さん» 設定を誤っておりました。申し訳ございません。修正しました、ご指摘ありがとうございます。 (2019年11月30日 21時) (レス) id: 4b7f932ad4 (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグというものをちゃんと外して下さい (2019年11月30日 21時) (レス) id: da04285dd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のの | 作成日時:2019年11月30日 20時