片思いのふたり〜ネット界のスーパースターとFANTASTICSのパフォーマーは幼なじみだった件〜【澤本夏輝】

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時は経ち

『つ、ついにこの日が来た…』

なつくんとお出かけ当日…

緊張しすぎて朝早く起きちゃった…


ライブの時とはまた違う緊張感…
だ、だってさ

この間のライブでは、大勢の観客の中の一人だったから
アレだけど…ってかアレでもかなり緊張したけど…

今回は、1対1…
電話では普通に話せた…と思うけど…

生のなつくんなわけで…緊張して上手く話せるか…
不安だ…

緊張しつつも、会いたい気持ちが先走って

待ち合わせの15分前に着いてしまった…

と、とりあえず…

Aなつくん、お疲れ様です。 ちょっと早いんですが着いちゃいました…お待ちしております。

と送って待つことに


したのだけど…

男｢お姉さん…綺麗だね…誰か待ってるの？｣

え？

『わ、私？』

明らかにチャラそうな男の人に声をかけられた

男｢そう！あなた！ねぇ…今から僕と遊ばない？｣
『や、ご、ごめんなさい…今友達を待ってて…』
男｢友達なら、ちょっと遅れるとか言って待っててもらおうよ！｣
『や、ほ、ほんとに…あの…』
男｢えーいいじゃん…行こ行こ！｣

初めてナンパというものをされたのだけど
こんなにしつこいんですか？

男｢ほら行こっ！｣
『ちょ、やめてください…』
と強引に私の腕を掴み連れていかれそうになった時

｢あの…離してもらえます？｣

少し低い声で、私から男を離す男の人…

サングラスと帽子をかぶっていたけど
声でわかる

なつくんだ…


男｢…んだよ…男いたのかよ…チッ…｣

と言ってどこかへ行くナンパ師

た、助かった…。

『あ、あの…なつくん…ありがとう…』

と言うと…

｢はぁ…｣

と、溜息をつきながら
私の肩を掴み、見つめてくるなつくん

ふぁ！？
な、な、、なつくんの手が！わ、私の肩に…

心拍数が上がっていく…

一呼吸おいてからなつくんは
｢Aさん…。隙ありすぎ…。｣

と言った。

『え？』
｢ああいうのはもうちょっと警戒心もたないと…ダメだよ？｣

と、少し顔を膨らませて言うなつくん…

『ご、ごめんなさい…怒って…る？』
恐る恐る聞くと

｢…怒ってるって言うか…ちょっと…妬いてる…だけ…｣
『え？』

い、今…妬いてるって言った？
え、え、え？


｢なんでもない！ほら行くよ…！｣
『う、うん…』

やばい…ドキドキが
止まらない…。

聞き間違いだとしてもドキドキしちゃう…

このドキドキが聞こえませんように…。

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