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「平気? 顔、真っ赤だけど……」

「あーーっ、もうっ!! 大丈夫だから!!」





 運動音痴の彼女が少し早歩きをしながら家に帰っていく。それに合わせて足並みを揃えれば更に加速させた。





「ちょっ、A!」
「うるさいうるさいっ! 大丈夫って言って……────!」





 見通しの悪い十字路。

 対面に置いてあるミラーにトラックが来ていることに気がついた俺は咄嗟に彼女を引き寄せた。





「はぁぁ〜、あぶな、」

「わ、……、」

「っ、たく。ちゃんと前見て歩かないから……」

「……ご、ごめん」

「何も無くてよかったけど」





 ドキン、ドキンと彼女の身体が激しく心音を奏でる。
 どうやらさっきの出来事が相当怖かったみたいだ。





「ほら、大丈夫だから。落ち着いて?」

「っ、そまちゃが近いからだよ……っ!」

「おとと……、」





 顔を真っ赤にしてふるふると震える彼女。
 なんだか怒っているみたいだ。



 心当たりはないものの、不機嫌にさせてしまったのなら申し訳ない。





「……ホント、そまちゃ乙女心が分かってない、」

「え」





 乙女心がどうも難しい。

04 : 俺は部外者→←03 : 乙女心



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作者名:Stellar | 作成日時:2024年3月4日 22時

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