検索窓
今日:1 hit、昨日:30 hit、合計:2,264 hit

08 : サヨナラの時が来て ページ33







「A。少し、話があるんだけど」

「え。……なに? 改まって……」




 これから何を言われるかも分からない彼女はキョトンとした顔で近づいてくる。

 その行動自体に持ってはいけないカンジョウを抱いていることに不思議だとはもう思わない。





「昨日、色々整理してたら、これが出てきて……」

「!!」





 ポケットの中から折りたたんだ1枚の写真を取り出す。
 そこには5歳くらいの幼い彼女と、今と姿の変わらない俺が写っていた。



 驚く彼女をみて知っていたんだと笑いが込み上げる。




「そんな反応するってことは、知ってたんだね。
 まあ、……そりゃそっか」




 兄弟の居ないAは小さい頃から寂しがり屋で、話し相手になる人物が必要だったらしい。



 コミュニケーション能力のある『STPR社』の『Knight Humanoid』タイプは人間の特徴をよく捉えたアンドロイドを制作していたらしい。

 ネット社会が中心の今、本音を話せる相手が人間には必要だった。



 Aにも。
 その相手に選ばれたのが俺だったという話なのだ。





「っ、黙ってたわけじゃ……!」

「わかってる、……でも滑稽なことにさ、自分自身がニンゲンなんだって、思ってたんだよね」

「それは……! そまちゃのせいじゃ……!」

「……、」

✦→←✦



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
12人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , KnightA , そうま
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Stellar | 作成日時:2024年3月4日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。