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背が高く、つり目の爽やかな顔をしていたと思う。
格好も男性に近い服を着ていたから思わず男だとばかり……。
「え。嘘でしょ」
「ほんとだよー。アズサって名前の、女の子なんだから!」
名前を聞いても女性か男性か分からないが、彼女がこんなところで嘘をつく必要性は全くない。
全てを理解した時全身の力が抜けて「はぁぁぁ、」と重たいため息と共にその場でしゃがみこむ。
「そまちゃ……??」
「よかった……」
「え?」
「カレシじゃなくて、よかった……」
安堵がこのムネを沈めてくれる。
今までネガティブモードに入っていたせいか、そんな事で悩んでいたのかと自分自身に笑いが込み上げてきた。
「もう。なにそれ〜」
つられて彼女も笑い出す。
これまでの無視とぎこちない空気が入れ替わるように穏やかになる。
「心配しすぎだよ」
「年頃なんだからしたくもなるって」
「年頃ねぇ」
少し寂しく笑う彼女の顔。
その意味にまだ気がつけなかった。
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作者名:Stellar | 作成日時:2024年3月4日 22時