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05 : センパイ ページ17
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彼女の部屋の中に段ボールが広がる。
引越しはまだ先だが、準備だけは始めておきなさいというお母さんの言葉に従った結果このような状況が広がっていた。
「あー……片付けめんどくさーい」
「んじゃ、ほら。俺も手伝うから」
「それは……っ、全然大丈夫」
「えー。でも1人でできる?」
「なっ、バカにしないでよー?」
「ごめんごめん」
「……1人で出来るようになる練習だから!
そまちゃは手伝わないで」
「おぉ、」
そこまでの強い意志が彼女にあるとは正直思ってもみなかった。
成長することは喜ばしいことで、応援するのは当たり前のはずなのに、寂しい。
なんだろ。
雛鳥が巣を飛び立つみたいな……、そんな感じの感情に似てる。
自立するとこは彼女にとってもいいことだ。ただ、隣でその姿をもう見られないのは悔しくてたまらない。
「……じゃ、1人で頑張って」
「うん」
「俺は、お母さん達の方手伝ってくるから」
「……うん」
「……じゃ、」
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作者名:Stellar | 作成日時:2024年3月4日 22時