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「あー……。A? 入るよー?」
一応ノックをして部屋の中に入るという合図を送る。
これで『勝手に入った』という文句は回避できるだろう。
扉を開けた先の彼女の部屋は物が多く、色んな場所に手付かずになった趣味の道具がある。汚いという訳ではなく、きちんと整理もされているのだが、如何せん物が多い。
「A〜」
「んー……、」
「まったく……。またベッドから足はみ出しちゃって……」
寝相が悪い所も、昔から何一つ変わってない。
どんな寝方をしたらこんなに布団が斜めになるんだと一度聞いてみたいものだ。
「ほぉら。起きろー。朝だぞー」
「ん……、」
「『ん……、』じゃなくて。もう準備しないと間に合わない時間になるぞー。
ほら。さっさと起きて支度する……!」
「ん"ーー……」
年頃の女の子を触ると色々言われてしまいそうなので、彼女の寝ているベッドの奥にあるカーテンを開ける。
部屋の中に明るい日差しが入ってきたことで更に潜ってしまう彼女がいた。
「あ、こらこら。布団の中に潜らない!」
「…………むり」
「無理って……。無理じゃないから。ほら。起きるよ……!」
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作者名:Stellar | 作成日時:2024年3月4日 22時