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 「・・・ん」


  携帯から鳴るアラームなんて意味がない。

  ばぁうくんは昨日
  家を出たまま帰ってくることはなく、
  仕方なく1人で眠りについた、けれど。

  普段、抱きしめてくれる温かい腕もなく
  結局一睡も出来なかったから。








 「いってきます、。」


  そのせいで食欲もない。
  朝食すら食べないまま、
  誰もいない家の鍵を閉めて歩き出す。









 「ん?・・・」


  歩き出して数分後。
  どこか見慣れた人影を見つけた。






  絶対にばぁうくんだ。
  見間違えるわけない。
  大好きな人だもん。

  でもばぁうくんの隣には・・・。









 「だれ、?」


  綺麗なオンナ。
  私の知らないオンナがいる。









 「なんだ・・・祝ってくれる人、いるんじゃん。」


  あんなに楽しそうに笑っちゃって。
  私なんかよりずっと綺麗なオンナの人。

  最初から、私なんか相手にしないで
  その人に誕生日祝って貰えばいいのに。
 







  仕事入れちゃって申し訳ない、
  なんて泣くほど後悔してた私が馬鹿みたい。













 「お疲れ様でした。」


  ばぁうくんのことを考えながらする仕事は
  あっという間に終わりを迎えた。

  それも有難いことに、
  定時前に帰らせてもらえるという
  ラッキーな展開に。










  昨日の夜までの私であれば
  ばぁうくんのお誕生日会間に合う!とか
  思ってダッシュで帰っていたんだろうけど

  朝の浮気現場を見てからはそんなやる気もない。








 「A、お疲れ。」

 「あ、先輩。先輩も今帰りですか?」

 「おう!」


  仕事先から家への帰り道を
  のこのこと歩いている時に
  後ろから話しかけてきたのは私の先輩だ。

  私が仕事に慣れないときに
  よく相談に乗ってくれていた男の先輩。







  確か、それをばぁうくんに話した時
  なに俺以外の男の人に相談なんかしちゃってんの?
  と、怒られてしまった記憶がある。









 「彼氏、喜んでた?」

 「え?」

 「ほら、誕生日プレゼント!」

 「あぁ・・・」


  一度怒られてしまったけど、
  男性には男性にしか分からないこともある。
 
  そう思って、ばぁうくんへの誕プレも
  この先輩に何がいいと思いますか?
  と聞き、提案してもらったんだった。









 

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作者名:tno.. | 作成日時:2024年3月13日 22時

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